それでもまだ奇跡の起こっていない人へ

お茶づけ・英語づけの生活は,おそらくまだ続きます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

「人の言葉」を聴くこと。

今年の始まりをまだはっきりと覚えている。昨年の大晦日に書いた上の記事に,桐谷ヨウさん(id:fahrenheitize)がブックマークしてくれたのが元旦だった。(そういえばブログタイトル変わってます) この人、好きだな。 / “いい意味で,いいときはいい。 - こ の…

「お茶と同じぐらい」大事であるということ。

飲食店に茶器と茶菓子を持ち込んでお茶を点て始めるのは,かなり非常識である。だが,私はした。学部時代の先輩と会うことになっていて,お茶セット一式を持っていたのだ。ご飯とお茶をいただいた後にお手洗いに行っている間に,先輩が会計を済ませていた。…

「循環」

今年いっぱいまで通う茶道教室の納会,つまり自分がその教室に通う最後の日の開始30分くらい前に,大学院の先輩の訃報を知らされる。納会の最中,心など全く穏やかでなかった。動揺したまま,先生や姉弟子さんに別れを告げる一方,もうこの辺りにも来ること…

「院生」という世界。

指導教官の授業中に就活の話題が出て話を振られたが,私は就活をしていないので同級生の話をした。指導教官に「あなたはそういうのを見て就活バカバカしいって思って院に来たのね」と言われ,いや,進学を決めたのは就活の時期より前で,私は就活してないん…

上質な「問い」であれ。

後輩を見て「あの子(たち)も隅に置けないな」と思うことがあり,次の瞬間には「片やこっちは隅に置かれてる感」が残り,「ここが隅ならどこが中心だよ」と自分に問うた。 冷静に考えれば,このケースではその子たちが中心だ。そもそも当事者でもなんでもなか…

茶道教室を辞めます。

茶道教室に向かう道中ではよく事故に遭う。その日も結構高かった服が痛んだまま教室に着くと,来年の話をされた。通っている教室では,1月から半年以内に辞める人は,初釜(新年1回目の茶事)には出られないことになっている。なんでも初釜は「今年も一年よ…

ヨウさんとお会いしました、まとめ。

2016/09/25 桐谷ヨウさんにお会いできて,お茶を振る舞う機会まで。色々とジャンルの異なる方だと思ってたけど,その話しやすさは私が言うまでもなく。自分にとってヨウさんとお会いできたことは進歩だと思います。お時間をいただき本当にありがとうございま…

人の記憶に残ることを,恐れない。

「自称口下手な人」とは決して寡黙な人の事ではなく,考えていることが相手に伝わっている感覚を満足に得られていない人のことだ。本当に伝わってるかどうかなんて分からないという大前提の上で,話してる自分が不完全に感じるかどうかの問題。抱えているも…

いつが最後でもいいように。

趣味を研究対象にすることについて話してたときに,自分の口からLove is different from interestと衝いて出てきた。じゃあloveかinterestどっちなのかと訊かれ,答えに窮することになる。後の会話でbecause you love teaと言われることへの違和感は残りつつ…

私も「茶人」であるということ。

zuisho.hatenadiary.jp 上の記事で「365日お茶を点て続けるガチの茶人」と言及されたものの,ほんの先日「お点前の意味*1を分かってない人はお茶人だと思ってないんすよ」と面と向って言われたばかりである。しかしジョージ・クレインか誰かが「自分がなりた…

一碗と一人をめぐる話。

2016/07/20 夏用のガラス茶碗を求めて歩いたストックホルムで買った器を見立てた。一つひとつの茶碗が歴史を持っているように,この器が私の手元に来るまでにもストーリーがある。充分に茶碗足り得る器だと思ってる。 pic.twitter.com/tIGP4F1nzP— あまんじ…

誰と,どこで,〈お茶〉をするか。

日本語教師を終えて帰国した直後にこんなことを書いていた。もう3年以上も前だ。昔の私いわく,「未来を構成する要素は,誰と,どこで,何をするかの3つだけ」とのこと。 適当に誰かといることも,とりあえずどこかに存在することもできるし,何もしないで…

「できないことはできない」のならば。

Teaching Assistant(先生の助手みたいなやつ)で先生の研究室と教室を往復している。日本語開講の授業は一部の日本人院生に仕事が集中する。往復してるのを見かけた同期には「So pity」と言われる。課題が大変だっていうのはどの国の人も言ってるけど,忙しい…

「好きなように生きる」ということ。

素敵記事の真ん中に突如自分が出てきて,読後感がすっかり変わってしまった。それでもいぬじん(id:inujin)さんの言葉の魅力は変わらない。 好きなように生きる、というのは、自分だけの特別なレンズをとおして世界を見つめる、ということだ。 他人にとっては…

Teaist(茶人)インタビュー日本語訳

前回の記事でも少し触れましたが,私が答えたインタビューがフランス語になりました。全文翻訳しようかと思いましたが需要はなさそうなので,ブルガリア人のアレクサンドラさんの質問とそれに対する私の解答の部分だけ,日本語訳を載せます。フランス語を英…

手にした石を据えることで,世界の構築に携わること。

いまだにお茶を大好きだと言えない。好きと言った瞬間に言いたかったことと違うものになる,というのも懸念材料である。 先日パリ在住のブルガリア人女性からインタビューという形で質問をもらった。私の解答が英語からフランス語に翻訳されて,彼女のサイト…

独りであるということ。

もう二年近くも前のこと。それは三十代ぐらいの,働いている女性に人気の映画であるようだった。十九時過ぎに単館上映の映画館に駆け込むと,左右の席にゆとりを持たせて座る女の人が数人と,持ち込んだパンを食べている女性の背中が目に入る。彼女らの両腕…

「失敗」も「辛さ」も漠然としすぎている。

キャベツを千切りにしていて爪ごと指を切った。左手人差し指の右上が斜めに欠けている。翌々日には普通の顔で茶道教室に行き,絆創膏を貼っていると先生のお茶碗が傷ついてしまうので素手であった。指先を怪我してるなんてバレようものなら,そんな汚い指で…

Tea ceremony, それはLost in Translation

「今週プレゼンして。Presentation should last about 30 minutes. PowerPointは授業の24時間前までに送って」と月曜の朝に突然言われたことで,翌週のプレゼンの用意も投げ打った今週。今ようやくpdf送った。— あまんじるな (@amnjrn) January 28, 2016 上…

一人でも生きていける,と思えるとき。

アメリカの友達(年上)と飲んでた際に,彼が「留学したり仕事の関係で国が変わる度,友達とは途切れる」と言い出した。「僕には20歳より前の友達がいない。君(私)はこの前も高校のときの友達に会ったって言ってただろ?」 私はというと,そのアメリカ人の友達…