それでもまだ奇跡の起こっていない人へ

お茶づけ・英語づけの生活は,おそらくまだ続きます。

Teaism

複業という働き方を選んだ理由

会社員じゃなくて「お茶」で生きていきたいんだよね? と言われることに違和感があった。上の記事に書いたような理由で「お茶が好き」と言えなかったからだ。 あまりいい茶道教室に出逢えず,そちらの「茶道」にはそそられない。そして「茶道」の世界で働く…

100%好きになるということ(お茶と写真編)

あるものを好きになって,その周りにあるものが好きになれないとき,どうやって対象を100%好きになるのだろう。 修論の研究主題に茶道を選んだのは,「なぜお茶をやっているのか答えられなかったから」だ。「好きだから」と答えられていたら,論文は生まれな…

なぜ「茶道が好き」と言えないのか。

茶人100人載ってた1日発売の某雑誌,読みながら本屋で泣いてしまった。買ってから読めばよかった。流派も茶道歴も関係ないって言うなら,なんで全員の名前の横に流派と茶歴を書く必要があるのか。そして弊修論の研究対象の皆さんが,見事に流派を載せてなか…

4年記念日。

2018/01/10 丸4年目の朝。茶道の所作で飲む前に一瞬茶碗を押し頂く(少し上に掲げる)のとこの手の形が好きで,これが私が4年間毎日見てきた景色。2014年1月10日に突然家で点て始めてから,気付いたら今日まで点ててた。https://t.co/9N662a6U1z記念エントリ…

現実は,いつも予想を超えてくる。

他人が私の人生を決めてるかのように生きてきた。 周囲の大人に反対されて行きたい学部に行かなかったり,院で周りが外国人ばっかだったから英語まみれの生活になったり,お茶してる人と付き合えば「お茶生活も延長だな」とか思ったり。 でも,誰かのせいで…

生きたい世界だけを眼差す。-The sweet life in Japan

人生は,私を最悪な気分のままで放っておかない。 金曜の夜中に塞がった気分は,3連休を毎日特別な方々と過ごしたおかげで,問題は据え置きのままに塗り替えられた。 火曜には,いい写真が撮れそうな朝日の中で一通のメールを見た。フォロワーのイタリア人…

「金にならない」と言わせない。

3月下旬から5月半ばまで,点てたお茶の写真をSNSに(毎日)アップするのをやめていた。これは,お茶を辞めることと実は全く同義ではない。更新を辞めるタイミングはずっと考えていたけど,決心がつくのは突然のこと。 実はその前から,お茶碗を貸すので使っ…

「毎日の」お茶を,やめよう。

(うまく説明できないけど,中の人はこんな感じで毎日自宅や屋外でお茶を点てています) 私のお茶は,自宅で急に点て始めたあの瞬間から,ずっと意味などなかった。あれから丸3年と2ヶ月,意味のあることだから3年以上続いたんじゃなくて,お茶を点てると…

在り方:自分を表象するもの。

卒業以来会ってなかった高校の時の友達と会ったけど,全然お茶の話をしなかった。いつも口を開けばお茶の話をしてそうな私でも,そういうことができた。お茶の話を話してみれば,絶対「面白いね」って聴いてくれる子だったけど。これは相手の問題じゃない。 …

3年記念日。

まだ3年なのか,と思うと同時に 永遠に続くものなどないっていう 諸行無常の考え方は私の根底にあります。 人の心は変わり,生きている世界も変わります。 変わっていくものに心を痛めていると, 心がボロきれになりそうなので,やめています。 だからこそ…

花は盛りに。

遠くから赤色が見えて,あれって椿だったかなと思い近寄ると,それはサンザシだった。 今日の茶菓子は椿の上生菓子にしようと思っていて,生の椿を探しに,私は大学へ芝刈りに。そうでなくてもいつも,スティックタイプのハサミを持ち歩いているのはそのため…

「循環」

今年いっぱいまで通う茶道教室の納会,つまり自分がその教室に通う最後の日の開始30分くらい前に,大学院の先輩の訃報を知らされる。納会の最中,心など全く穏やかでなかった。動揺したまま,先生や姉弟子さんに別れを告げる一方,もうこの辺りにも来ること…

上質な「問い」であれ。

後輩を見て「あの子(たち)も隅に置けないな」と思うことがあり,次の瞬間には「片やこっちは隅に置かれてる感」が残り,「ここが隅ならどこが中心だよ」と自分に問うた。 冷静に考えれば,このケースではその子たちが中心だ。そもそも当事者でもなんでもなか…

茶道教室を辞めます。

茶道教室に向かう道中ではよく事故に遭う。その日も結構高かった服が痛んだまま教室に着くと,来年の話をされた。通っている教室では,1月から半年以内に辞める人は,初釜(新年1回目の茶事)には出られないことになっている。なんでも初釜は「今年も一年よ…

いつが最後でもいいように。

趣味を研究対象にすることについて話してたときに,自分の口からLove is different from interestと衝いて出てきた。じゃあloveかinterestどっちなのかと訊かれ,答えに窮することになる。後の会話でbecause you love teaと言われることへの違和感は残りつつ…

私も「茶人」であるということ。

zuisho.hatenadiary.jp 上の記事で「365日お茶を点て続けるガチの茶人」と言及されたものの,ほんの先日「お点前の意味*1を分かってない人はお茶人だと思ってないんすよ」と面と向って言われたばかりである。しかしジョージ・クレインか誰かが「自分がなりた…

Teaist(茶人)インタビュー日本語訳

前回の記事でも少し触れましたが,私が答えたインタビューがフランス語になりました。全文翻訳しようかと思いましたが需要はなさそうなので,ブルガリア人のアレクサンドラさんの質問とそれに対する私の解答の部分だけ,日本語訳を載せます。フランス語を英…

手にした石を据えることで,世界の構築に携わること。

いまだにお茶を大好きだと言えない。好きと言った瞬間に言いたかったことと違うものになる,というのも懸念材料である。 先日パリ在住のブルガリア人女性からインタビューという形で質問をもらった。私の解答が英語からフランス語に翻訳されて,彼女のサイト…

「失敗」も「辛さ」も漠然としすぎている。

キャベツを千切りにしていて爪ごと指を切った。左手人差し指の右上が斜めに欠けている。翌々日には普通の顔で茶道教室に行き,絆創膏を貼っていると先生のお茶碗が傷ついてしまうので素手であった。指先を怪我してるなんてバレようものなら,そんな汚い指で…

Tea ceremony, それはLost in Translation

「今週プレゼンして。Presentation should last about 30 minutes. PowerPointは授業の24時間前までに送って」と月曜の朝に突然言われたことで,翌週のプレゼンの用意も投げ打った今週。今ようやくpdf送った。— あまんじるな (@amnjrn) January 28, 2016 上…

嫌な日とは,感情に振り回されたままの日のこと。

お茶を毎日点て始めて,その写真をTwitterに載せ続けて一年半以上経った。そのうち,とてもじゃないけどお茶を点てる気分じゃない日が何日あって,なんとかサササッと点てて写真を撮ったはいいけど加工する気力のない日が何日あって,Twitterでアップすると…

「人間なのに,○○でない。」

例えば抹茶は分かりやすくおいしいものではない(と思っている)が,「飲み物なのにおいしくないってどうなんだろう」とふと思った。抹茶を飲む時は,飲み物としての価値ではなく,何か別のものとしての価値を見つけなくてはならなくなる。茶道を語る人間が味…

不満があっても好きでいる,「覚悟」

もしお茶がその辺の男だったらとっくの昔に別れてるわっていうぐらい,あたしは茶道に対する,いや,茶道にまつわるものへの不満がある。お茶そのものが嫌いな訳じゃないことは分かってるけれど。 あるカップルが喧嘩ばっかだったけど一年過ぎた頃からおさ…

どうして茶道をしているの。

先日お茶を点ててたとき「前はお点前がチャカチャカしてたのにね」って言われて,なぜか「あたしはこの茶道部が好きじゃないかもしれない」と感じた。内輪のサークルなのでお茶室の中でもみんな普通に喋ってるわけだけど,そのときは「お点前してるときに,…

茶人が思う,味のついたお湯の話。

今週のお題「飲み物」 例えば,ある失敗をしたときに,すごくポジティブな意味付けをする人がいる。失敗そのものは意味を持たない,あるとしてもその失敗によって自分が恥ずかしい思いをした,とかいうぐらいのものだと思う。ある失敗を「話のネタになるな」…

お礼状の形式でお茶会レポ。

拝啓 春爛漫の候,皆様ご清祥のこととお慶び申し上げます。この度は茶事にお招きいただき,ありがとうございました。朝晩はまだ冷え込む日もありますが,お庭の花々が今日に合わせたように満開であったことや,お菓子とお料理,茶花などからお茶室でも春を感…